日産ローレル メダリスト 5MT 平成3年式
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バブル期にスマッシュヒットしたC33ローレル。伸びやかなスタイリング、豪華な室内で高級車の基本を押さえ、かつ、シルビア譲りのマルチリンクサスペンションで似つかわしくないほどのスポーティな走りでした。我が家のローレルはマイナーチェンジモデル。前期仕様よりもきらびやかな外見が特徴でした。
○のポイント!
何はさておき、マニュアルトランスミッションがあったこと。まあローレルのAT比率がまだ90%程でしたので、地方を中心にまだまだかなりの需要があったと思われます。
トルクフルで燃費のよいRD28エンジン。2500回転以下に限ってはR34スカイラインのRB25DEエンジン以上のトルク感と粘り強さです。大排気量のNAディーゼルの典型ですね。
室内に限ってはとても静かであったこと。走行時はR34スカイラインより明らかに静かです。エンジン音も全然気になりません。高級車らしく、防音材でしっかり遮音された証拠です。
今では当たり前になりつつあるけど、当時は豪華と思えた装備の数々。オートライト、フルオートエアコン、ドアミラーヒーター、ワイパー融雪装置(最近流行りの電熱式ではなく、なんと温水式!でした)・・・でも、マニュアルシフトの設定がある!(笑)
マルチリンク式のリアサス。非常に自然で、そして、いざ!と言うときには、ローレルという車名に似つかわしくないほど、(安定志向ではあるものの)ワインディングなどでは粘り強い走りが可能でした。
ビスカスLSD。スポーツ走行には不向きですが、冬道ではあるとないとでは大違いです。同型のローレルで、同じエンジン、同じグレードの、LSD無し車を何度か運転したことがありますが、冬道ではFR車の苦労を思い知りました。
燃費の良さ。夏ならリッターあたりで16キロ程も走りました。17万キロで廃車にするまで燃費もそんなに変化しませんでした。
Xのポイント(-_-;)
狭い室内。5ナンバーフルサイズですが、全高の低いハードトップボディーとFRレイアウトにより1クラス下のFF車と同等か、それ以下の室内空間です。とは言え、平均的な体型の大人4人までならそれなりに快適に座ることが出来ます。
真っ黒な排ガス。煙突からもくもくとたちこめる煙のような排気ガスです。我が家のローレルはマニュアル車のため、メリハリのあるアクセルワークを心がけると黒煙の発生量も抑制できましたが、大部分を占めるAT車では加速中はつねに煙突状態です。抜群の燃費にも関わらず、渋滞のため加減速の多い日本では、ディーゼル車が市民権を得ることが出来なかったのはこのためだと思います。
ボディー剛性の低さ。ピラーレスボディの宿命とは言え、走行中にサイドガラスが揺れているのが分かります。経年変化に伴い洗車時にも水が車内に侵入してくるようになりました。
いつのまにか10センチほどを残して引っ込まなくなったオートアンテナ。これは他の日産車にも見られる症状のようです。
消耗品や、定期交換部品部品以外で、11年間で故障したところは意外と少なかったですね。大きな部品では3年目腐ったでマフラー。最終的には爆音を放つようになり、もちろん交換しました。2本目のマフラーは廃車時まで使用できたため、「外れ品」だったのかもしれません。
その他気になったこと等(^_^;)
浅く、奥行きがあるトランクルーム。これはトランクルーム床下に燃料タンクがあるためです。その後のC34型やR33スカイラインでは衝突安全上の問題のためか、後部座席よりにタンクが移動し、奥行きはないけどとても深いトランクになりました。好みの問題ですが、私はC33のような奥行きがあるタイプのほうが好きですね。
ルームランプから大量の蛾が発生したこと。納車後初めての夏のことでした。そのため、車を生産する段階、あるいはマップランプのユニットを作る段階で蛾が卵を・・・以下略(苦笑)
中折れする助手席。パートナーコンファタブルシートという名前だったはず。シートの背面を、ちょうど真ん中あたりでもさらにリクライニングさせすることが出来ました。また、リクライニングの量に応じて、座面側前方も自動的に持ち上がるというものでした。日産の高級車には広く普及していた装備ですが、いつの頃からかまったく見なくなりました。コスト削減のためか、あるいは衝突安全上のものかは分からないですが、今見ても(今だから!?)斬新なものに見えます。
何気に似合うリアスポイラー。まあ、これは趣味の問題ですし、主観が多い部分ですが、シンプルで地味なデザインのスポイラーだったため、付いているほうが自然、そう思えました。なお、廃車間近の最後の1年間は義弟が乗っていたのですが、フロントにもスポイラーをつけ。また17インチのアルミをはいていたため、上品さの中にも漂うスポーティー感、というC33ローレル本来の持ち味が倍増していました。ただし、タイヤのインチアップにより、燃費の悪化だけではなく、ハンドルが異様に重い、わだちでハンドルが取られるなど、マイナスの要素も少なくはありませでした。