NISSAN SKYLINE 7AT 平成26年式

スカイラインハイブリッドのインプレッション

上。納車直後に、スカイライン2台中心に我が家の車たちを並べて撮影。至福のひと時^^
下。飛来物による保険修理の際に、差額を払ってバンパーをSP用に交換しました。凛々しくなった? 

 
V37スカイラインの〇のポイント
・圧倒的なパワーとトルク。そして燃費とのバランス。モーターとエンジン合計のトルク値が正式に発表されていなのは、あの35GTRの数値を超えているからだという噂もあるほどの鬼トルク。各チューナーの計測値では55〜60キロくらいのトルク値らしいけど、6000ccクラスのNAエンジンに匹敵します。モーターなので踏んだ瞬間からこのトルクです。トラクションコントロールをあえてオフにしてアクセル全開で0発進加速をすると、それはもう暴れ馬状態。通常、トラコンはオンにしているけど、それでも不用意にアクセルを踏み込むと加速Gに首が持っていかれます。もちろん、追い越し加速もすばらしく、短い距離で一気に追い越しをかけられることや、どんな坂道でも軽くアクセルを踏むだけで登っていくので疲労度が少ないなど、このパワーによる恩恵は少なくはありません。それにも関わらず、長距離ドライブではリッター18キロほどの燃費ですし、それなりに混み合った道路を走っても10キロを下回ることもほとんどありません。バッテリーが大型なためEV走行の時間が増えるからだと思います。

・世界初となるステア・バイ・ ワイヤ機構のダイレクトアダプティブステアリング (DAS) の標準搭載DASとは、ステアリングの動きを電気信号に置き換えてタイヤを操舵するシステムのことで、簡単に言えばハンドル(ステアリング)と前タイヤがつながっていなく、ハンドルはあくまで"スイッチ"。電気信号に変えてアクチュエーターを作動させているのですが、横風や雨などの悪天候、道路の乱れなどにシステムが介入してくれて自動的に微調整してくれますし、轍などの急激な衝撃には、あえてそれを伝える程度だけハンドルに信号を送り返します。中には、人工的な味付けだとの理由で、このシステムを嫌う方もいるけど、私はすっきりとして、外乱による悪さが皆無のこのシステムが大好きです。と、いうより、たまに34で高速道路を走ったりすると、37との違いで無駄に疲れてしまいます。それくらい37のDASは快適性までも高めてくれるシステムなんですね。ハイブリッドには標準ですが、廉価版の2000ccターボには324,000円!というびっくり価格でオプション設定されているほどの高価なシステム。悪いわけがありません。

・スカイラインというネームバリュー。良くも悪くもスカイライン。誰でも知っている車です。もし、この車がセドリックやローレル、あるいはフーガという名前で売り出されていたらたぶん購入しませんでした。

V37スカイラインの×のポイント
バカすぎるナビシステム。まったく使い物になりません。オーディオ、ナビ、エアコンのすべてを担っているアンドロイドOSのシステムですが、まず、処理が遅い!エンジン起動後にオーディオのオン、オフをしたいというよくある動作であっても10秒以上操作を受けつけません。ナビの操作性も最悪で、10年以上前に使っていたPNDのゴリラにすら劣っています。しかも、検索する道がありえない経路が多すぎます。前住んでいた町からどこかにでかけようとすると、30年前に廃線になった鉄道の線路跡に誘導されてしまいました。もちろん、車なんか走れないし、そもそも鉄橋も撤去されており崖に落ちるだけです。そんなことの連続です。ナビの設定や、オーディオの選曲はボイスコントロールでできることにはなっているけど、音声の認識がバカすぎてまともに動作しません。500万以上もだして購入した車のナビがこんな状態じゃあ、いらだちを隠せません。ちなにみ、走行中にシステムがダウンすることがあり、電源のオンオフでは回復せず、車を止めてエンジンを切ったりしないと復帰しないという末期症状です。

・重たすぎる車重。まあ、重たい走行用バッテリーを積んでいるもありますが、せめてあと100キロくらい軽いと、タイトコーナーでも現状のようなだらしないタイヤ鳴きなど起こらないと思いますし、もっと気持ちよく曲がってくれると思います。燃費にも加速にも影響してきますしね。

・何度か、アクセルを踏んでもいないのに急加速したこと。症状はこんな感じ。エンジン起動後に1キロほど走り、信号やカーブの手前でブレーキをかけ時速10キロほどまで減速し、そこでブレーキを離す。すると、アクセルを踏んでいないのに2速ギア固定になり一気にエンジンがふけあがる・・・というもの。もちろん、ディーラーにもメーカーにも報告し、その際のドライブレコーダーの映像も提供しましたが、「原因不明」のまますでに3年が経過しています。複雑なハイブリッドシステムを搭載しているとはいえ、あってはならない急加速問題。相変わらずリコールにもなりそうにありません。

・勝手な急加速だけでも怖いのに、走行中にリモコンエンジンスターターのユニットが外れてきて、配線が右足に絡みつきブレーキを踏むことができなかったこと。上記の急加速問題と併せ、安全面に不安を抱えております。

・狭いトランクルーム。まあ、巨大な走行用バッテリーを搭載しているため仕方ないといえば仕方ないのですが、幅方向はどうみてもあと5〜10センチは拡大できる余地がありそうです。内張りの形状と12Vのバッテリーの搭載位置を何とかしてほしい感じ。深さ方向も、現状では内張の下にほとんど物の入らない小物入れがありますが、その分をトランクスペースに充てると深さ方向で10センチくらい拡大できそうです。今のままでは大型のスーツケースを1つ積むのがやっとの容量なんです。深さ方向か幅方向でもう一声拡大すると、形状にもよるけどスーツケースを2つのせることができると思います。

・室内の収納スペースが狭いこと。トランクだけではなく、室内にも小物をしまう場所がほとんどありません。グローブボックスも狭いため車検証を入れるともういっぱいいっぱい。説明書を入れるなんて論外です。コンソールボックスも一昔前の高級車と比べると容量も形状もよくありません。しかも、中に名刺ケース大の通信ユニットが出っ張っており、さらに使い勝手を下げております。軽自動車のようにあちこちに小物スペースがほしいとはいいませんが、無駄に広い室内なのですから、もう少し何とかしてほしいものです。

暗いLEDヘッドライト。HIDの明るさに慣れているためやっぱり暗いです。しかも、熱を発生しないため雪が降る中を走行するとどんどんと雪がたまってさらに視界が悪化します。これまで所有した車にもフォグランプはついていたけど、よほどのことがない限りフォグを使うことがありませんでした。しかし、このV37ならフォグを付けてようやく満足できる明るさです。特に峠道や田舎道を走る際にはフォグの横方向の明かりでようやく満足できるほど。純正のフォグの配線を切り、社外のHIDフォグを付けたいとさえ思っております。

V37スカイラインの△のポイント

・スカイラインという名称。ついでに丸4灯ではないテールランプ。つねに議論になるV系スカイライン。やはり、この車はスカイラインではありませんね。こじつけで"走りにいいセダン=スカイライン"って感じですが、本来のスカイラインはこんな高級車でもなかったし、価格的にもここまで高価ではありませんでした。日産でいえば失敗作ではあったけどレパードが今のスカイラインの立ち位置ではないかな?

・未知数の走行用バッテリーの劣化。初代リーフのバッテリー劣化具合の記事を読むたびに、この車のバッテリー能力、特にEV走行の距離の減少が気になってしまいます

・代々のスカイラインには定番の色があったはずだけど、V37は白と黒が似合い、やっぱり高級車になってしまった気がします。ハコスカと言えばシルバー。鉄仮面は赤黒か黒灰。7thは黒かガンメタ。34はベイサイドブルーやライトニングイエローというおなじみの色があったはず。現状の価格帯なら白、黒という高級車としての色が似合いますが、例えばC33ローレルのグリーン、Y31セドリックのワインレッドのように、もう少しメジャーになりそうな"勝負色"も設定してほしいところです。

・そもそもこんなにパワーもトルクも必要なので、2500のNAエンジン+6速MTという組み合わせてゆったりと乗りたい気分です。VQエンジンとMTなんてZにもあるし、海外向けのスカイラインにはずっとあった組み合わせです。現行ではディーゼルとの組み合わせにしかないようですが、ぜひとも限定車でもいいので設定してもらいたいものです。Z34のパワートレーンをそのまま移植しただけでもいいのでNISMO仕様として販売してもらえたら絶対に買い換えます。日産は34ステージアで3500+MT+FRという特装車を販売した実績があるので、ぜひこのスカイラインでもお願いします!

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