日産ウイングロード
JS 4WD 5MT 平成8年式 |
当時のサニーカルフォルニアとADワゴンを統合する形で発表されたウイングロード。しかし、ベースは商業車であるADバン。また、フルモデルチェンジではなく、前述2車のビッグマイナーチェンジ車でした。この車を語るのには、まずADバンをベースに豪華装備をおごったワゴンを、さらにワゴンらしくなるようにお化粧直しした車、そういう成立過程を把握しておく必要があります。
○!なポイント
やはりバンベースなのでラゲッジルームは広々しています。サスペンションの張り出しも嘘のように小さいです。車高も比較的高い車のため、外見からは想像できないほどの荷物を積むことが出来ます。5人乗車時にも大型のサムソナイト(スーツケース)を4つ積むことが出来る・・・セダンでは不可能ですよね。
意外とサスペンションの動きがしっかりしているということ。さすがにスポーティということは出来ませんが、バンベースで、リアがリジッドサスペンションの割には、「足がよく動く」という印象です。しっかり路面に追従してくれます。基本的にはリアが粘る安定志向の足周りですが、ショートホイールベースということもあって、意外なほど小気味良い走り味でした。
がさつだけどよく回るエンジン。レッドゾーンまで1,2速なら簡単に吹きあがります。実際にパワーが付いてくるのは6000回転くらいまでですが、周囲の流れをリードしたいときはタコメーターを見つつ(実際はエンジン音がうるさいので見ないでも分かる・・・笑)、スパッとシフトチェンジすると気持ちいい走り?をする事が出来ました。
バブル時代のB13サニーそのままのインストパネル。豪華ではないけど、シンプルなよさがありますね。
JSグレードなのに、電動格納カラーミラー、前後独立シートリフターなどが装備されていたこと。乗っていたときは当たり前と思ったことですが、後にY11型のウイングロードが登場したときに上級グレードを除いて省かれた装備でした。
4WD性能。ビスカス式の簡易型4WDですが、充分なサスストローク、また軽い車重と相まって、雪道などの走覇性はアテーサ+リアLSDのプリメーラ以上でした。
×(ーー;)なポイント
狭い室内。前席はまだ良いのです。適度なタイト感で車との一体感を味わえます。しかし、後席はそれまで乗っていたミニカよりも狭く、シートのかけ心地も前、後席ともに短時間ならソフトで楽なかけ心地だけど、長時間は辛い・・・というものでした。
騒がしい室内。エンジン音、走行音ともミドルクラスと比べると明らかにワンランク劣ります。まあ価格なり、車格なりと考えると納得ですが。さすがに、エアコンのコンプレッサーが稼働したときの音、振動は悲しいものがありました。
車庫入れ時などに、パートタイム4WDのようなタイトコーナリング現象が起こること。これはビスカスが比較的強く利いているためと思われます。とはいえ、ここぞ!という急加速時には前輪が一瞬キ〜!っときしみ、FFベースを強く意識してしまいます。
引っ越しの日にタイヤが破裂(バースト)したこと(;一_一)。その日は雪道でした。引っ越しの荷物を積むために日頃は積んでいた夏タイヤを下ろしていたんです。さすがにテンパータイヤで雪道を走るわけにいかず出先でタイヤを買うことに(涙)。左右のバランスを考えて2本も(号泣)
燃費。長距離を走っても12キロ。混み合った中心部のみでは7キロくらい。まあ、エンジンと車重のバランスが悪いので仕方ないかな。
高速時の直進安定性の悪さ。一応4WDではありますが、高速道路ではハンドルをしっかりもっていないとヒョコヒョコと左右に動いてしまいます。ショートホイールベースに加え、高めの車高が悪影響を与えているのだとおもいます。
坂道発進時の戻らないクラッチペダル。小樽の急坂で4000回転以上でクラッチをつなぐと、なんとペダルが踏んだままになり、エンジンはそのままレッドゾーンに突入してしまいます。トルクがなく、高圧縮比のエンジンのため、やはりある程度の回転数でつながないと、エンストやノッキングがしてしまいます。しかも、これは我が家のウイングロードだけではなく、代車としてかりたことがあるガソリン仕様のADバンで起きた現象でした。
その他あれこれ気がついたこと
軽いクラッチペダル。ちょい乗りするには楽ですが、長距離を走るとペダルが軽すぎてかえって疲れてしまいました。クラッチを調整してもらいましたが、最後までクラッチミートポイントがわかりにくい車でした。
任意保険の証書で、車名がADとなっていたこと。名前だけ変わっても、基本はやはりバンだということを意識させられるエピソードでした。