エレベーター&エスカレータに関して |
はじめに
いくら私が田舎モノとはいえ、私だってエレベータの乗り方くらい知っています(笑)。とはいえ、お国が違えば「え?そうなの?」という思わず驚いてしまうような体験や、「へぇ〜そうなんだぁ」と感心させられる意外な発見もあったりします。これから紹介していくのは、実際に私がシンガポールで経験したエピソードからです。
エレベーター
これはある出版社に行ったときの体験から。3階の事務所で教科書編集の担当者の方から貴重な話を伺い、「在庫があれば売って下さい!」とお願いしたときのことです。
"Please go
to the first floor."
と言われ、「えっと・・・シンガポールはイギリス英語を用いる国・・・なので1階はground floorだから、じゃ、2階に行って待っていればいいのだな!」そう考えました。
しか〜し、階段で2階に降りてもそれらしい人もいなければ、いや、正確に言うと階段の踊り場しかないような狭い階だったんです。とはいえ「指定された場所はここだし・・・」としばらく待ってみました・・・が、数分待っても誰も来ません(笑)
さすがにそのままそこで待っていてもどうにもなりません。で、とりあえず入り口のある1階まで降りてみました。すると、中国系の年配の男性が首を長くして私を待っていました。「この日本人はどこを遊び歩いていたんだ!」そう思ったに違いありません。
この体験から学んだこと。シンガポール英語のスペルは確かに英国式です。centreのように。しかし、建物のフロアの数え方はアメリカ式でよかったんです。数字がそのまま階数を表す・・・私はそこにシンガポールらしい合理性を感じました。なお、参考までに以下に英国式、米国式の階数の数え方を記しておきます。
英国式 |
アメリカ式 |
|
3階 | Sesond floor | Third floor |
2階 | First floor | Second floor |
1階 | Ground floor | First floor |
あ、そうそう。もう一つ追加。シンガポールではエレベータのことを"Lift"と言うようです。これはイギリス英語ですね。実際、Where is the lift?などと尋ねた経験などはないのですが、ショッピングセンターなどの店内見取り図にはLiftと表記されていますし、また、実際に乗り込むと、必ずと言っていいほど"In case of
fire, do not use lift."(火災の時には“リフト”を使用しないでください)という注意書きを見かけます。
乗っているのは"Lift"だけど、階数の数え方は"Elevator"式。日本語に、和洋折衷(わようせっちゅう)という言葉がありますが、シンガポールのこの事例の場合は、英米折衷と言えば良いのでしょうか?
エスカレータ
日本のデパートやスーパーなどを思い起こしてください。エスカレータを使って1階から3階に上がるとします。まず2階まで上がります。で、そのまますぐ横のエスカレータでさらに上の階に行きますよね?
しかし、シンガポールで同じ事をすると・・・再び1階に戻ってしまいます(日本と同じ形式のところもあるけどね)。ではどうするか?一度上がったら、ぐるりと反対側まで歩く必要があります。考え方の差といえばそれまででしょうが、移動の時間だけを考えると非合理的。でも、「少しでも多くの売り場を見てもらおう」という視点に立つとシンガポール方式?は実に合理的。
私の印象では、シンガポールのショッピングセンターの2階以上は吹き抜けになっていることが多いのです。なので、テナントや各売り場は建物の周囲を囲むように並んでいます。ですので、シンガポール式のエスカレータに乗ると、売り場(テナント)をくまなく見て回ることが可能です。
他国の現状は分かりませんが(←無責任ですみません<m(__)m>)、つねに忙しく時間に追われる日本人、商売上手なシンガポーリアン、これを顕著に物語る例のような気がします。