ガムの部分解禁に関して

 シンガポールでは1992年から国内でのチューインガムの製造、輸入、販売のすべてが禁止されていました。旅行ガイドブックのも必ずと言っていいほど「ガムの持込ができません」などといった記述がされていました←以前、ガムを噛むことは法律で禁止していない・・・という噂を聞いたことがあるけど、ガム自体が存在し得ないシンガポールでガムを噛むことができませんよね(^_^;)

 ガムが禁止された理由は、シンガポール建国の父と知られる当時上級相であったリー・クアンユー 現顧問相が、通りや建物の汚れ、電車やバスのドアにガムの食べかすを貼り付けるいたずらが頻発し清掃コストがかさんだ当時の様子に不満を持ち、そのためにチューインガムを禁止したといわれています。
 そんなシンガポールで2004年になり、12年ぶりにチューインガムの禁止令が撤廃されました。もっとも日本のようにスーパーやコンビニで自由に売買ができるわけではなく、販売できるのは薬局のみで、購入できるのも登録済みの消費者だけという条件付です。さらに、その商品というのも歯によいとリグレイ社が主張するオービットガムという米製シュガーレスガムのみ。もしこれに違反して名前とIDカードを提示しない者に販売した場合、販売した薬剤師は最大2年間投獄され、S$5,000もの罰金を科せられることがあるそうです。さすが、シンガポール・・・(^_^;)

 このように部分的な解禁にも関わらず、「ガムの販売が解禁された!」ことだけが一人歩きしている観もありますが、そもそものきっかけとなったのはその年の1月1日に発効したアメリカとの自由貿易協定 (USSFTA: United States-Singapore Free-Trade Agreement) でした。その話し合いの場で、アメリカのイリノイ州選出の下院議員Philip Crane氏がガム問題を問い詰めました。イリノイ州はチューインガム大手の本拠地であることが背景にあるようです。シンガポール政府は、薬局で治療効果のあるガムの販売を許可することに限りに合意しました。この協定では19種類の医療用や歯科用の製品の販売を許可されたとのことです。

   
※USSFTAの詳細に関しては、シンガポール政府の関連HPをごらんください。

 


 

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