2日目。現地時間の7:00に起床。この時点でマレー鉄道に乗ってマレーシアのジョホールバールまで行くことに決めていました。念のため日本で調べておいた発車時刻は9:35。8:00にホテルを出るとちょうどいいはず。
ん?なんのためにマレーシアまで行くのかって??それは、バスによる国境越えを体験したかったから。これまで飛行機、列車、車、船による国境越えを経験済みです。残るはバスと徒歩くらいなもの。それでバスによる出入国を試みることにしました。また、実はシンガポールとジョホールバールは頻繁にバスが行き来している区間です。通勤や買い物で日常的に国境越えを行っている人が多数います。なのに自称シンガポール通にも関わらず、これまで経験したこともありませんでした。
Origin
|
Destination
|
Train
No. / Name
|
Departure
|
Arrival
|
Running
Day
|
Su.
|
Mo.
|
Tu.
|
We.
|
Th.
|
Fr.
|
Sa.
|
SINGAPORE
|
JOHOR
BAHRU
|
58 - MAIL
|
0935
|
1022
|
a
|
a
|
a
|
a
|
a
|
a
|
a
|
SINGAPORE
|
JOHOR
BAHRU
|
64 - MAIL
|
1735
|
1829
|
a
|
a
|
a
|
a
|
a
|
a
|
a
|
SINGAPORE
|
JOHOR
BAHRU
|
66 - SHUTTLE
SERVICES
|
1820
|
1914
|
a
|
a
|
a
|
a
|
a
|
a
|
a
|
SINGAPORE
|
JOHOR
BAHRU
|
2 - EKSPRES
RAKYAT
|
0830
|
0918
|
a
|
a
|
a
|
a
|
a
|
a
|
a
|
SINGAPORE
|
JOHOR
BAHRU
|
6 - EKSPRES
SINARAN PETANG
|
1525
|
1611
|
a
|
a
|
a
|
a
|
a
|
a
|
a
|
SINGAPORE
|
JOHOR
BAHRU
|
12 - EKSPRES
SENANDUNG MALAM
|
2205
|
2255
|
a
|
a
|
a
|
a
|
a
|
a
|
a
|
SINGAPORE
|
JOHOR
BAHRU
|
14 - EKSPRES
TIMURAN
|
2000
|
2052
|
a
|
a
|
a
|
a
|
a
|
a
|
a
|
2004/10/8現在のマレー鉄道時刻表より抜粋 |
また、実は5年前にもマレー鉄道でジョホールバール往復ミニ海外旅行を行っているのですが、その事を周囲の人に話すと、マレー鉄道ってどんなかんじ?とか、列車による国境越えってどんな様子なの?と質問されることが非常に多いんです。そんなこともあり、今回の片道マレー鉄道、片道バスによる半日海外旅行を実施することにしたのでした。なお、行きに鉄道を選んだのは、国境にあるコーズウェイと呼ばれる道路はマレーシア行きの方が混んでいると予想したためなんです。
ホテルからシンガポール駅まではMRTとタクシーを乗り継いでの移動です。シンガポール駅は以外と不便な場所にあり、タクシーで行くのが無難なんです(5年前は歩いて汗だくになったので・・・経験者談・・・笑)。最初に乗ったタクシーは、私が乗り英語で行き先を告げた途端に、「ゲットアウト!(出ていけ!)」と。日本人が嫌い?あるいは英語が全くわからない!?次に止めたタクシーは問題なく向かってくれましたが、「ジョホールバールには普通バスで行くんだよ。列車は時間もかかり不便だからね」と、ばりばりのシンガポール英語でアドバイスしてくれました。それを実証するために行動を起こした私です。なんだかアドバイスが別の意味で嬉しくなりました。
シンガポール駅にて。とりあえずチケットを購入し、S$50をマレーリンギットに交換。一気に110マレーリンギットにもなりお金が増えた気さえします(笑)。なお、チケットはS$2.90でした。ほどなく改札口が開きました。一日にわずか7便しかない鉄道です。改札が開くのは出発の1時間前からという限られた時間です。その後、マレーシア側のイミグレーション、税関があります。まだシンガポール国内なのに。ましてやシンガポール出国前なのに。以前はシンガポール出国もこの場で行っていたのですが、今は後述のウッドランドという国境の場所に立派なイミグレーションができました。
|
|
|
左から、チケット売り場、マレーシア入国審査、マレーシア税関。シンガポール出国はまだなのに(笑) |
なお、ここで注意しなければならないのがパスポートのスタンプ。マレーシアに入国?しているはずなのにスタンプは押されていません。もっとも、イミグレーション通過時には出入国カードすら必要なく、機械によるパスポートのチェックしか行われていません。楽と言えば楽だけどね。入国スタンプの代わりに、マレーシア滞在中は列車のチケットを必ず所持していなければなりませんし、マレーシア出国時に必要になります←5年前はそうとは知らず、ジョホールバールの駅で、もしや不正滞在中!?と不安になった記憶があります。
|
鉄格子の向こうはシンガポール |
売店で鉄格子を挟んでの買い物をした後は、いよいよ車内に乗り込みます。今回は普通列車のため全席自由席です。前回は快速で指定席だったけど、他に駅のないこの区間は全く差がありません。普通列車とはいえ食堂車も連結されており、さすが国際列車!という感じです。
|
ビニール張りのシート。窓は開きません。 |
対向する列車とのすれ違いの影響か、実際に出発したのは30分以上遅れた10:10。しかし誰一人騒ぎだしたり不満を言ったりしません。この位の遅れは日常茶飯事なのかもしれませんね。車内ではマレーシア出入国カード、帰りのシンガポール入国のために、空港で1枚多くもらっておいたシンガポール出入国カードを記入。そうこうしているうちに、程なく国境の町、ウッドランドに到着しました。ここで一度、全員下車しなければなりません。シンガポール出国のために。いつも同じことを空港で行っているけど、島国日本に住んでいる我々日本人にとっては、鉄道の旅の途中で行うイミグレは新鮮な感じがします。発車が遅れたためか、出国審査後にあったトイレが非常に混んでいました。私も利用したのですが、人数の確認をしているとは思えないので、「このまま列車が発車したらどうしよう?」と少々不安に(笑)。
|
|
国境にあるウッドランド。ここでやっとシンガポールを出国します。 |
再乗車後はすぐにコーズウェイを通過します。予想通り道路は渋滞していました。特にマレーシア方面が。コーズウェイは長さ約1050mで、すぐに渡り終えます・・・そこはもうマレーシアです。日本では到底できない経験ですよね。
|
|
コーズウェイ通過中。やはり、かなり渋滞していました。 |
ジョホールバールの駅はこじんまりとしたたたずまいで、なんとなく郷愁を感じてしまいます。あ、そうそう。下車時に一つ注意しないといけないことがあります。ウッドランドでもそうなのですが、列車の降り口の階段がきゅうで、かつホームとの間隔も結構あいています。日本と同じように降りると隙間に落ちてしまいかねません。ご注意あれ!
|
|
|
ジョホールバール駅にて。沢山の人がここから乗車します。右の写真が駅全景。こじんまりとした駅です。 |
|
駅前。車よりもオートバイの方が多い駐車場 |
帰りはバスに乗って戻ります。シンガポール行きのバス乗り場がどこにあるかわからず、まずは人の流れをウォッチング。どいうやらコーズウェイの方にあるようです。数分間歩くと、確かに出国審査場がありました。一応、近くにいた係員に「シンガポールまでのバス乗り場はこの先にあるの?」と質問。訛りのきつい英語でしたが非常に親切に答えてくれました。念のため、チケットは出国後に買えるかどうかも確認。「買えるけど、お金持っている!?」と逆に聞かれてしまった(笑)←でも、私が一文無しに見えたのかな?・・・でも、それが次のちょっとしたトラブルにつながるのですがね(^_^;)
|
|
|
左から、かなり苦労したバス乗り場(^_^;)、行き先不明のバス車内、そしてコーズウェイと並行して走るとても太い水道管(本文参照) |
2階に上がったところにある出国審査では、列車の切符も提出します。すると、入国確認のスタンプの代わりに、entry ktmと手書きでチェックしてくれました。ktmとは、シンガポールとマレーシアの間を運行している会社の名前です。マレーシアとタイの間は別の会社が運行しています。
バス乗り場にて。行き先別に結構な人が並んでいます。正直、シンガポールに戻れるならどこ行きでもよかったんです。とはいえ、できるなら事前に調べていたエクスプレスバスに乗りたいなって思っていました。それにはまずチケットを購入しないといけません←お友達のみどりんのHP内にある、「シンガポール情報」、『シンガポールから海外旅行に行こう』を読むとその理由がわかります。ねえ、みどりん?・・・笑)
しかし、いくら探してもチケット売場らしいものは見つかりません。そうこうしているうちに シンガポール行きのエクスプレスバスがやってきました。しかたなく係員にWhere can I buy the ticket? I want to go
to SIngapore(シンガポールに行きたいのだけど、チケットはどこで買えるの?)と聞いてみました。すると、彼はOver the bus!(バスの向こう側!)と言いながら指さしています。言われるまま先に進み、そこにいた別の係員に同じ事をいうと、Where
do you go?(どこに行きたいんだ?)と言われたので、さすがに「どこでもいいと」は言えずWoodland(ウッドランドまで)と答えると、ちょうど、そばにあったバスへ乗るように指示します。どうやらチケットは車内で買う様子・・・と、車内に乗ってみると、日本のバスと同じで運転手さんの横の料金箱に入れるだけの様子。とはいえ、料金がいくらかわからず、とりあえず手元にあった10マレーリンギットを入れようとすると、運転手さんが「お釣りがないから駄目だ!」と英語混じりの中国語で言っていまし、先ほどの係員も「降りろ!」と・・・半ばあきらめ顔で。親切な彼は、列に並んでいた数人の人に「両替できるか?」のような事を中国語で聞いてくれました。そこに彼の知り合いらしい女性がやってきて、2人は世間話に没頭・・・取り残された私(^_^;)。バスも行ってしまった・・・(T_T)。次のバスも行ってしまった・・・(T_T)。数分の後、その女性がやっと私に気付き、「シンガポールドル持ってる?」と聞いてきたので、YESとの答えると・・・完全に呆れ顔のさっきの係員。私の財布からS$1.60を取り出し、車内での支払いまでしてくれました。これで無事マレーシア出国!でも、このバスどこに行くの??(笑)。
シンガポールの水事情
シンガポールは水を輸入しています!というと、やはり多くの方が驚くのではないでしょうか?しかし、国土面積に乏しいシンガポールです。現在でもシンガポールで消費される水の約半分はマレーシアからの輸入に頼っているのです。
上の写真の水道管が水を輸入するため、そして水を輸出するためのものだったのです。輸出?と疑問に思った方。良い質問です(笑)。実は、シンガポールは輸入した水を水道水として浄水し、再びマレーシアに輸出しているんです。なんともシンガポールらしい話です。
ちなみに、マレーシアからの水の輸入価格は、1961年と1962年にマレーシアとの間で結ばれた原水の供給にかかる二国間協定(有効期限はそれぞれ2011年、2061年)に基づき、1,000ガロン(4,546リットル)あたり0.03リンギ(約0.9円)という価格になっています。しかし、マレーシアは不当に安いと主張し、料金改訂に向けての交渉が続いているようです。あまり詳しくなくてすみません。 |
シンガポール側にて。渋滞したコーズウェイを通り抜けるとシンガポール側で一度バスから降りなけれななりません。以前、どこかのHPで、「自分の降りたバスを見失わないように!」と書かれていたのを覚えていたのですが、周囲の人を見てみると、誰一人バスをチェックしている様にはみえません。まあ、なんとかなるだろう・・・そう考え、2Fにある入国審査場へ歩いて向かいました。とても近代的な入国審査場です。一番端の外国人専用に並びチェックを受けたのですが、係員がフルネームで私の名前を呼びます。「もしや、再入国までの時間が短かすぎてチェックされた!?」と少々焦りましたが、別に注意や質問をされるでもなく無事にシンガポールに再入国ができました。
|
ここで2Fに上がり入国審査を受けます |
再び1階に戻ると、また行き先別にバスを待つ列が出来ていました。さっきのバスと同じのに乗ろうかな?と思ったけど、適当に乗ったバスです。どこ行きかさっぱりわかりません(^_^;)。また、そのバスに乗っていたと思われる人が既に一人もいませんでした。「ああ、置いていかれたのね〜」と瞬時に悟った私でした(ーー;)
でも、こうなったらもうヤケクソです。どこでもいいのでMRTの駅までいけるバスを探しました。程なく来たバスは丁度MRTのKranji駅行きのようでしたので、迷わずそれに飛び乗ります。そのとき、「あ、支払いはどうしょう!?」と一瞬焦ったのですが、私の前に並んでいた人が現金ではなく、EZLINK CARDで支払っていることに気が付きました。「ああ、なんだ〜。現金でなくても良いのね!・・・と、いうことはマレーシアでも、あんなに困らずにCARDで支払えばよかったのか〜!」と今頃になって気が付きました(笑)。まあ、後の祭りです。なお、バス降車時に確認した料金は83セントだったはず。
以上がマレー鉄道と二国間移動バスによる、超ミニミニ海外旅行の報告です。その後、食事をしたり買い物をしたりしてからホテルに戻ったのですが、そのときまだ15:00ほどでした。もしシンガポールに旅行する予定があり、かつ、これと言って予定が決まっていない方には、私が今回行ったような現地発着海外旅行をしてみるのをお勧めします。昨年のバタム島よりもずっとずっと安全で、かつ実際的だと思います。
帰国後!?の午後からはクラークキーやチャイナタウンをぶらぶら散策し、食事をしたり、お土産を買ったりして過ごしました。クラークキーは大規模な工事中でちょっぴり残念。チャイナタウンは街並みが大幅に整備され、まるで博覧会のパビリオン、あるいは映画のセットのような綺麗な街並みに、驚くばかりでした。
|
|
|
左から、食事をとったホーカー。新しく生まれ変わったチャイナタウン。そこでやっていた大道芸。 |
|