アジア6+1ヶ国周遊記 2008夏 |
1日目
長い旅がいよいよ始まりました。今夏の旅の企画を始めたのが4月上旬。5月の連休時には大方のプランニングが完了していたので、ようやく旅が始まった、そんな印象の強いのが今回の旅です。ただ、最初の訪問国台湾にはちょうど台風が上陸中。天気予報を見ると、自分が乗った飛行機が到着するのと台風の接近が同時刻・・・無事に台北までたどり着けるのでしょうか。
この旅最初のフライトは名古屋まで始発便。新千歳空港には7時前に着いたけど、夏休み中ということもあるのか、これまでほとんど他の人を見たことのなかった国際線乗り継ぎカウンターには、台湾人を中心にすでに20人ほどが並んでいました。荷物を台北までスルーで預け、とりあえず米ドルで$200分だけ両替し搭乗口に移動。機材は今では懐かしくさえ感じられるANK塗装のままの737−500。当然ANA便だけどANKの受託運行便。満席での運行でした。
Your flight may return due to
changeable weather condtion |
名古屋では1時間しかない乗り継ぎ時間なので心配でしたが、夏休みだというのに実に閑散としている出国審査場、そして制限エリア内。「こんな状態で大丈夫なの?」と余計な心配をしてしまったほど人の少ない制限エリア内でした。一番奥のゲートまで移動すると、電光掲示板にはありがたい言葉が^^;。「台風のため名古屋へ引き返す条件での出発です」と。まあ、仕方ありません。737−700という小さな機体でのフライトなので風の影響も心配だし、それ以上に台湾往復分の燃料は大丈夫なの!?という余計ない心配までしてしまいました。
メニュー LUNCH / DINNER COURSE
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メニューはANAのHPより。このハンバーグ、激ウマでお替りしたいほどでした。 |
結果的に、それらの心配は杞憂に終わりました←だから、この旅行記を書くことができたのだけどね(笑)。台湾に近づくにつれ揺れが強まったけど、ジェットコースターのような気持ち悪い揺れではなく、ガタガタと気体が小刻みに揺れる振動系の揺れ。着陸時こそ、台風の影響を感じたけど、それとて予想以下でした。
さあ、これで台湾到着。ずいぶん久しぶりに来た感じがします。前回来た時には、一人一人の入国審査にかかる時間が世界でも有数という前評判どおりと感じたけど、今回はそんなことも感じず、いたって普通でした。
入国後は、ネット情報どおりでわかりにくい場所にあるリムジンバス乗り場を探し、すぐにやってきたバスに乗り込みます。今回利用したのは、往復ともに国光バス。数社の中でバス停の数が一番少ないため、結果的に最短で台北駅まで移動できるからです。所要時間約1時間。料金は片道NT$125。日本では400円ほどでしょうか←海外でリムジンバスに乗る度に、羽田‐成田のバス代が異様に高いと感じてしまいます。
満員での出発となったバスですが、飛行機以上に台風の影響を感じてしまいました。台北までは高速道路を利用するのですが、風にあおられているのがはっきりとわかります。幸い、雨はそれほどでもありませんでした。しかも、バスが台北に到着する頃には雨足も弱まり、霧雨のような感じで、帽子さえあれば傘がなくても大丈夫でした。重たいスーツケースを引きながらの傘はしんどいですからね。
左、台北車站。右、駅前付近の様子。修正をかけ明るくしたけど、実際の空の色はどんより |
台北駅付近は前回来たときにも歩いた場所なので、地図を見ることもなく目的のホテルまでたどり着きました。今回の宿は懷寧ホテル(←キーマンズ・ホテルと読むようです)。バスの降り場からは徒歩10分ほどでしたが、乗り場までは道路を挟んですぐ。トランジットのための宿泊には最高のホテルです←が、アジアの安ホテルの常で、ラ○ホテルを兼ねているようです。周囲のホテルはどれも同様でした。
荷物を置いたらすぐに街に繰り出しました。最寄の地下鉄台北駅まで徒歩で数分。バスを利用してのトランジットだけではなく、地下鉄を活用する個人旅行にも最適なホテルの場所ですね。なお、街に出た目的は「台湾らしい晩ご飯を食べる」ということ。だけど時間はまだ14時ほどなので、少し時間をつぶさないとなりません。前回の訪問時はまだ建設中だった世界1高いビル、「台北101」に行こうかな、と思ったけど、前に来たときに新光三越の展望台に上った際も雨降りで、下の風景がよく見えませんでした。今回も同様だと考え←高いところが好きな馬鹿なりに学習能力があります(笑)、安くはない入場料を払うだけの価値はないだろうという結論にたどり着きました。14時という中途半端な時間。いつ本降りになってもおかしくはない空模様。それらを考慮に入れ、結局今回訪れたのは中正紀念堂←祈念でも、記念でもありませんよ!。前回はツアーでの足早の観光だったので、じっくり展示物を見てこよう・・・そう考えての訪問でした。ですが、台風の影響なのか、それとも政権が変わった影響なのか、理由はわからなかったけど、入り口が閉鎖され中に入ることも、蒋介石の像を見ることもできませんでした。政権が変わり、2度も名前が変わったり、衛兵が廃止されたりと、台湾の象徴のはずなのに悲しい扱いを受けているこの紀念堂。台風のため太極拳をしている人も、寛いでいる人も居らず、数少ない観光客が歩いているだけでした。
ご存知、中正紀念堂。人気もまばらでした |
この場所に30分ほどいた後、時計を見ると16時ほど。日本時間では17時。そろそろ夕食を食べてもおかしくはない時間です。紀念堂が残念な結果だったので、次に向かったのが同じく台北名物の士林の夜市。毎晩毎晩、日本の縁日のように屋台が並び、多くの人が訪れる夜の台北観光の代表選手です。ただ、この夜市でも時の流れを感じることとなりました。以前とは違い、衛生状態がよくないこともあり、飲食店を一箇所に集め、シンガポールのホーカーセンターのようになっているんです。それも大きな建物中に数十軒も集まっています。
左、林臨時市場の概観。中央、内部の様子。右、この日食べた夕食。お茶はやはり砂糖たっぷりで激甘でした。 |
とりあえずぶらぶらと中を見た後、臓物系と鶏肉系が入っていない料理として選んだのがこれ。チャーハン、海鮮のお好み焼き、それと砂糖がたっぷり入った緑茶。全部でNT$100ちょうど。海鮮はえびと牡蠣貝が入っていたけど、えびは半生でした^^;←新鮮だったようで翌日もおなかは平気だったけどね。
時間も早く、雨模様のため人気もまばらでした。 |
なお、以前は屋台が多数出ていた狭い路地は、台風のためか、時間がまだ早かったためか、人気がまばらだったことも報告しておきます。これで、私の6年ぶりの台湾観光があっけなく終了しました←翌朝は4時半起きなのですが、なかなか寝付かれず結局0時過ぎまで持参したEEE PCでネットサーフィンをしてしまいました。
ホテル。古いけど、綺麗に掃除されていました。 |
2日目
モーニングコールを4時半にお願いしていたのですが、寝坊したら大変という気持ちが強かったせいか、3時にはぱっちりと目が覚めてしまいました。日本ではいつも4時過ぎに一度目が覚めるので、時差を考えると同じ時間に目が覚めたことになります。ちょっぴり早いけど、二度寝したら危険な時間なのでそのまま準備を開始←まだ旅行2日目だから可能だけど、最終日では絶対に危険な起床時間です。
駅横のバスターミナルからの空港行きの始発便は5:00。ホテルの朝食は7時からということなので、いつも旅行時には持参するカロリーメート(←のまがい物^^;)を食べて準備完了。バス停に行くには大きな道路を渡らねばなりませんが、まだ朝早いため地下街及びアンダーパスは入り口閉鎖中でした。結局、余計に歩き回ることになってしまい始発便には間に合わなかったけど、すぐ後のバスには無事に乗り込むことができました←降りるターミナルによって、荷物を預ける車体下部のトランクが違うのでしっかり確認しておきましょうね。
5:15発のバスは6:00には空港に到着しました。定刻まで2時間半。早々とチェックイン&出国を完了し、誰もいないゲートで旅行記を作成しました。無料のワイヤレスLANのサービスもあり、あっという間に時間が過ぎ去りました。
まるでお子様ランチのようなメニュー。 朝に食べるメニューではないような・・・。 |
台湾から香港までのシップはタイ国際航空のA330でした。初めて乗る機種ですが、アジアエリア内用のTG便らしく、かなりやつれた感じのする機体でした。それでも、いつも感心する真心のこもった接客態度で快適なフライトでした。ただ、サービスは快適だったけど、香港到着30分くらい前からの揺れは激しく、一度はシートから体が浮き上がりました。ベルト着用サインは出ていないときだったのですが、ベルトをしていないと頭をぶつけていたかもしれません^^;←みなさんも、着席中は必ずベルトをしましょうね。
本当は機内食を食べた後、香港のガイドブックを見て半日の予定をプランニングするつもりでした←今頃、ですがね(汗)。だけど激しい揺れでそれも不可能になり、何1つ計画しないまま香港に到着してしまいました。しかも、数百人が並んでいてやけに時間がかかった入国審査。空港を出たときには疲れ果てていました。香港は4年前に旅行したばかりです。前回はマカオや中国の深センにも渡り十分に観光をしたエリア。この4年間で新しくできた場所といえばディズニーランドですが、さすがに1人でいっても虚しいだけ。街を歩くにしても夏の香港は辛いだけ←この日の最高気温は37度だったしね。結局、私が選んだ観光方法は、MTR(地下鉄)や鉄道を乗り継いでの車窓観光。空港からはまずエアポートエクスプレスに乗り、途中でMTRに乗り換えます。その後は何度も乗り継ぎ、最後は香港と中国を結ぶ鉄道である広九鉄道に乗り換えます。前回の香港訪問時は、職場の偉い方とのツアー利用だったので一切乗らなかった公共交通機関ですが、今回はじめて乗ってみて、チケットの購入方法はもちろん、各プラットホームでの乗換えまで非常に考えられたシステムだということがわかりました。特に違う路線の乗換えが、ホームの違う場所まで移動することなく、降りた場所の向かい側に移動するだけで乗換えが可能なんです。シンガポールのラッフルズプレイスと同じといえばいいでしょうか。笑ってしまうほど簡単に乗換えができ、11時15分に空港を出発し、12時半には鉄道の香港側最終駅である羅湖駅まで到着してしまいました。最終駅ということは、ここが国境です←正確に言うと香港も深センも中国ではあるのですが、香港は今でも特別行政区となっています。空港で香港に入国したわずか2時間後に、香港を出国して中国に到着。トランジットで香港に立ち寄る場合、香港内で時間をつぶすのもいいけど、鉄道を乗り継ぎ中国までやってくるのもお勧めかと思います。
羅湖駅到着。後は人の流れにのりまっすぐ進みます。 | |
香港と深センの間にある橋を横断中。いよいよです。 | |
中国側のイミグレーションを抜けるとそこはもう深セン! 北京からは離れているけど、中国本土なんですよ。 |
そんなこんなで着いた深センの街。中国政府により特別区に指定されている発展の著しい街です。前回はツアーで訪れ、観光客向けのナイトパレードなどを見ただけですが、今回は以前より関心があった駅前の商業施設、羅湖商業城に入り改めて深センの街の特徴を思い知った思いです。何かというと「若い女性しかいない」、ということなんです。住民の大部分が若い女性なのは、工場労働などで中国各地から仕事を求めて集まってきた女性が多いためなんですが、無数にある羅湖商業城内のお店の従業員の若いこと、若いこと。20代以下の女性、いや、ぱっと見た感じ日本の中学生くらいにしか見えない女性従業員も多数。もちろん、買い物をしている女性も同様。別名「偽物城」とも呼ばれるニセモノ商品だらけの羅湖商業城で買い物をする気にはなりませんでしたが(←第一、言葉がまったく通じません)、人間ウォッチングができただけでも大きな収穫のあるプチ中国旅行でした。
左、中国側のイミグレイミグレのある羅湖邊檢大樓。中央、壁は全てガラス張り、敷地面積が一万u、七階建の羅湖商業城。右、内部。 |
30分ほど付近をぷらぷらしたけど、バスターミナルや鉄道駅のあるこのエリアには、大きな荷物を抱えた人が多いのが印象的でした。香港からの買い物客なのか、それとも、中国の別の地区から買出しに来た人たちなのか・・・。いくつか読んだ他の方のHPによると、この深センの街は10年前の香港に通じるところがある、とのこと。なるほど。ニセモノ商品が堂々と売られているとか、確かにバブル以前に香港旅行から帰ってきた人が異口同音に言っていたことと重なるところも多いです。急速な経済発展が進んでいるという共通点からも、今後の深センの街の移り変わりを見守っていきたいと思います←オリンピック後の中国の経済成長と、深センの発展を比較していきたいと考えています。
中国出国、香港入国(←入境というほうが正確なのでしょうね)を無事済ませ、帰りの電車に乗り込んだのが13:15。往路はガラガラの車内でしたが、帰りは始発駅から乗車したのに、入り口付近に立つのがやっとという混み具合。乗っている人が香港人なのか中国人なのかに興味がありましたが、若い男性が多かったのでおそらく香港人が大多数なのでは?と思います←非常にいい加減な判断ですが、ね^^;
4回の乗り換えをこなして無事に戻ってきた空港。途中で昼食をとったこともあり、時間は16:00ほど。ホーチミンまでのフライトは定刻が20:30。ずいぶん早く戻ってきたことになるけど、乗り換えのために立ち寄っただけの暑い香港で体力を使うのがもったいない!ので、早々と出国して、この旅行記を作成したり、メールをチェックしたりしよう、そう考えての行動でした。が、それが裏目に出ることになってしまいました。
結論から言うと、飛行機が2時間15分も遅れて出発したんです。出国時はまだ早すぎることもあり、電光掲示板に搭乗口が案内されていませんでしたが、17時になっても、18時になっても案内されません。ようやく案内されたと思ったら、22:15発に変更という悲しい表示が。しかも、いつの間にか22:45発とさらに変更されていました。出国しているためユナイテッド航空のカウンターで事情を聞くこともできません。制限エリア内にあるインフォメーションセンターも、ANAやタイ国際航空などとは提携していても、なぜかユナイテッドとは提携していません。だめもとで向かってみた遠い場所にある利用予定の65番ゲートにも職員は誰もいません。結局、何一つ事情のわからないまま2時間15分も余計に待たされることになってしまったのでした。
搭乗後はとにかく休息をとるのを目的に、ずっと寝たふり状態。空腹でもないのに機内食を食べたり、飲み物を頼んだりするくらいなら少しでも身体を休めたほうがいいに決まっています。と、いうわけで、初めて乗った米系のエアラインのサービスは一切享受せず、「時間が遅れてもわびるどころか、説明すらしない会社」といういやな思い出だけが残ってしまったのでした。
大幅に遅れて到着したホーチミン。入国審査、税関ともわりとスムーズに通過でき0時にはベトナムでの第一歩を踏むことができました。こんな時間でも、出迎えの人や白タクの強引な営業などでごった返している到着階←到着ロビーではなく、出迎え客は外で待っています。マニラと同様ですね。
空港からホテルへの移動は、事前に手配していた送迎サービスだったのがせめてもの救いでした。2時間も余計にまたせてしまったガイドさん(←しかも女性)にはすまない限りでした。この送迎の代金は、実に$50!翌日は早朝出発のため、申し込みをした会社に支払いに行くことができず、旅行会社の送迎を利用し、その際に支払いをするのが必須となってしまいました。クレジットカードで事前に支払いを済ませたらいいな、そう考えていたけど無理なようでした←航空券の受け渡しもあるので、とのことでしたが、EメールをプリントアウトしただけのEチケットでした。
ホテルには20分ほどで到着。他社で予約したホテルだったのですが、チェックインやモーニングコールのお願いもガイドさんが済ませてくださいました。
こうして長い長い1日が終わろうとしています。シャワーを浴びてベッドに入ったら既に1時半過ぎ。翌朝のモーニングコールは4時半。3時間しかないじゃん!
ユナイテッド航空の大幅な遅れさえなければ・・・。