2日目
2日目。本当の意味での出発の日です。ゆっくり寝ている予定が、結局いつもと同じ時間に目が覚めてしまいました。テレビをつけても選挙結果と野球の阪神情報のみで、時期と場所を痛感。ボケ〜っとして時間を過ごした後、8:30に関空まで送ってもらいました←所要時間は15分ほどです。一番端のAカウンター前で車を降りたのだけど、ターミナルビルに入ったら人の多いこと、多いこと。こんなに人が多い関空は初めて。特にC、Dカウンター前は長蛇の列。どこ行きの人たちだったんでしょうか。そんな私は反対端のタイ国際航空のHカウンターまで延々と歩いてチェックイン。並んだ時間、わずか2分ほど。その時まだ9:00で、出発時刻まで1時間半もあったのですが、念のため早々と出国。実際、29番ゲートからの搭乗のため、本来は南出発口から出国するべきなのですが、そこには数百人もの人が列をなしていました。これでは出国までに1時間は並ぶことになりそう。もちろん、私はほとんど人の並んでいなかった北出発口まで歩いて行き程なく出国完了!100メートルほど余分に歩いたけど、あの長蛇の列に並んだと思ったら楽な物。
関空からの出国は、実に5年ぶり。いつもは全日空だったので北ウイングへの移動でしたが、今回はスターアライアンスメンバーのTG便とはいえ、関空ではもしかするとJALが地上ハンドルしているのか、南ウイングに移動です←昨年乗ったSQも関空ではJALのハンドルでした。アライアンスのねじれを感じる瞬間です。
昨日乗った機材より一気に大型化します^^ |
マニラまでの機材はB777−200。TG621便。実はこの便、マニラ経由でバンコクまで行くんです。と、言うことは2日後に再び同じ便に乗ることになります。もしかすると同じ機体かもしれません。KIX→ MNL→BKKのルートなら余裕を持って一機で運用できますしね。
変更により定刻より10分早い出発時刻となっていたものの、実際にゲートを離れたのは10:30。しかも、RWが混雑していたせいで離陸したのは10:50。第2滑走路が運用開始になると、こういう時間の無駄が解消されるのでしょうか。
1年ぶりの搭乗となるTG便ですが、相変わらず色使いがド派手なのと、涼しいを通り越して寒い機内が気になりました。まあ、派手なのはすぐに慣れるけど、寒さはダメ。過去の経験から、寒さに備えTシャツの上にさらに厚ての半袖を着ていたのだけど、それでも搭乗中はずっと毛布にくるまっていました。
搭乗率はエコノミーに関しては40%ほど。ほとんどの人が横3列を独り占めして足を伸ばして横になっていました。私も。こういう姿勢で横になったのは随分久しぶりに思います。最近では公式サイトからのネット予約が主流になったり、代理店との間でイールドマネジメントを徹底していること、路線や時期を考慮して適切なサイズの機材を投入しているようで、いつ乗っても「結構混んでいるなぁ」という状況ですからね←マイレージの特典がずっと空席待ちでも、直前に席が取れることが多いのも、空席管理の結果なのでしょうね。
残念ながら、口に合わずほとんど 食べることができませんでした。 |
その他に気がついたこと。真新しいレカロシートの機内ですが、実はこの機材にはシートテレビがついていませんでした←1人旅の最大の暇つぶしの道具なんですが・・・ね。また、機内食のご飯がタイ米?だったため口に合わず残してしまいました。さらには、デザートのケーキが恐ろしく甘く、甘党の私でさえほとんど食べることができませんでした。日本発着路線なのに味付けが完全にタイ人向けのような気がしました。そんなわけで、ビデオを見るでもなく、音楽を聴くでもなく、食事を楽しむでもなく、ただただぼ〜っとしていた4時間の機内でしたが、着陸直前の10分間ほどは、久しぶりに「ちょっと気持ち悪くなってきた・・・」という揺れが続き、思わず手足に力が入ってしまいました。
曇り空だけど33度もあるマニラに着いたのはほぼ定刻通りの13:20。ネット情報では、入国審査に非常に時間がかかるとか、空港職員までもがイチャモンをつけて金銭を要求するとか、白タクの運転手がわんさか寄ってくるとか、良い情報が殆ど書かれていなかったマニラ国際空港です。だけど、実際にはゲートから出てすぐ、地元の子供たちの演奏による日本の童謡「さくらさくら」で迎えられ、入国審査も並んだ時間、5分間ほど←この日の晩に麻生外務大臣がマニラ入りしたのと「さくらさくら」が関係があったのかもしれません。
その後、待ち合わせ場所に向かう途中、3回ほど係員らしき人が「どこに行くんだ?」寄ってきたので、「迎えがくる」といって簡単にかわしました←彼らは悪い人ではないのかもしれませんが、外国で話しかけてくる人は圧倒的に悪い人が多いという経験から、今回も用心用心。で、集合場所に着いたら、またしても係員らしき人が話しかけてきます。「誰を待っているんだ?」、「携帯電話の番号は?」、「友達の名前は?」と。悪い人かもしれない・・・という思いがあるせいか、適当にかわしていると、「誰が迎えにくるんだ?」と聞いてきたので、素直にホテルの名前を答えました。すると、「あ〜あ」と妙に納得した後、「向こうに来たよ、迎えが」と教えてくれました。もしかしたら、彼はいい人だったのかもしれませんね(^_^;)。礼を述べた後、迎えの車に乗りました。ハイエースのバンです。
ホテルまでは15分ほどの道のりですが、道行く車の運転の荒さと、どこでも横断する歩行者の強引さに、アジアに来たぜ!と痛感。私が旅行した国では最悪な道路環の国の一つと言えそうです。
日本人がオーナーのため日本のホテルの雰囲気です。なので、海外では珍しいシングルルームなんです。 |
片言の日本語を話せるスタッフのいるフロントでチェックインと両替を済ませ、荷物の整理を簡単にした後、すぐにマニラ観光に出かけました。と、言っても観光地ではないマニラです。行く場所と言ってもセントラル駅近くのサンチャゴ要塞等の歴史的建造物しかありません。マニラ発着の日帰りツアーに1人で参加した場合、場合によっては1万円近い金額がかかってしまうので、今回も当然地図を持って自分の足で見て回ることにしました・・・けど、たどり着くまでが一苦労。まず、最寄りのLRT駅である、ヒルプヤット駅までの道のりが大変。距離的には、15分ほどで歩ける予定でしたが、歩道はガタガタだし、車が舗道上に多数とまっていたり、お店が歩道に飛び出ていたり、歩道橋の鉄柱で歩道が通れなくなっていたりで、結局車道を歩くしかありません。また、交差点で車道を横断したくとも、横断歩道や信号なんてものは無く、行き交う車の中を強引に強行突破するしかありません。遠慮しているとダメ。ひかれそうになりながら強引に進むしかありません。ようやく駅に着いたら、今度は行き先方面別に駅の入り口が分かれていることに気がつき、またしても大きな通りを強引に横断。もうへとへとです。
券売機がなく窓口で手売りしている他はいたって近代的な設備です。 ホーム手前で手荷物の検査があるのにはびっくりしたけど。 |
LRT自体は、最近、日本の政府開発援助で実現したものだけあってエアコンも効いた最新の車両や設備です。券売機が無く、窓口で切符を買わなければなりませんが(←区間により12〜15ペソ)、その切符とて再利用される磁気カード方式。駅入り口でカバンの中をチェックされるのには驚いたけど、慣れると日本人観光客でも利用しやすい交通手段だと思います←駅までたどり着く苦労はありますが、ね(笑)
10分ほどの乗車中、生まれて初めて「スリの瞬間」を目撃しました。ある駅で乗り込もうとした男性の腕時計を、降りようとした男が無理矢理むしり取ろうとしたんです。結局、取られそうになった男性が大きな声をあげると、犯人が諦めたのですが、腕時計の金属製のバンドがボロボロに壊れてしまっていました。恐るべしマニラ。まだホテルを出て30分しか経っていないのにカルチャーショックの連続です。
セントラル駅に着いた後、正直言って最初から不安を感じながら歩き出しました。駅から目的地までは1キロほどと思われますが、地図らしい地図を持っていなかったんです。いつものように『地球の歩き方』は当然携帯していたけど、フィリピン版に限っては地図らしい地図がほとんど掲載されていません。小さな略図が数枚あるのだけど、残念ながら駅との位置関係や曲がる場所が理解できないんです。それで半分勘を頼りに歩き出すこと20分。そろそろ目的地に着きそうな時間ですが、裸の子供がいたり、地元の人たちがダラ〜っ寝ているような生活臭溢れるエリアに紛れ込んでしまいました。不安になってきたので、迷子にならないうちに来た道を戻りました。5分ほど戻り大きな通りに出たとき、高校生くらいの集団が歩いていたので道を聞いてみました。正確には、私は今どこにいるの?と、迷子なのがばればれな質問をしちゃいました(笑)。結果的には、私が進んでいた道は実はほぼ正解だった様子。だけど、さすがに歩き疲れ汗をたっぷりかいてしまったとの、雲行きが怪しくなってきたこともあり、近くにいたペディキャブのおじさんに乗せてもらうことにしました。
マニラの歴史的建造物の大部分が、 |
これ、自転車にサイドカーをつけたもので、遠いところにも行けず、料金も最低で30ペソからで(←地球の歩き方より。実にタクシーの初乗りと同額)、実用性が低く半ば観光客のためにあるようなもの。まあ、雲行きも怪しいし「しゃ〜ない!」と簡単な料金交渉の後、30ペソで世界遺産でもあるサン・オウガスチン教会まで行ってもらいました。
相当重たいのでしょうけど、やはりスピードも出ず、 乗り心地もよくありません。実用性は?です。 |
乗ること3分ほど。着いた場所は、先ほど私が不安になって引き返した場所と一本通りが違うだけのすぐ近くの場所。30ペソはまあ良しとして、時間と体力までを無駄にしたため、苦笑いするしか無い私。
天気のせいで暗い雰囲気です。実際は写真以上に重々しい感じでした←編集ソフトで明るく調整しています。 |
教会自体はフィリピン石造り建造物でもっとも古い教会。大地震や世界大戦の爆撃にも耐えた教会です。80ペソの入場料を支払った後に教会の中にも入ってみましたが、時間的なせいか、びっくりするほど広大な教会内に3人しか観光客がいなかったので、厳かな雰囲気に圧倒されるというより、少々気味が悪いほどでした。でも、クリスチャンではない私ですが、日々のあれやこれやを色々と反省したい気持ちになる時間でした←各国の教会を訪れる度にそう感じてしまいます。
教会を出た時、既に17:00。雲行きがさらに怪しくなるばかりか遠方では絶え間なく雷が鳴っています。30分以内にこの場所でも降り出しそうな予感でした。が、せっかく苦労してここのまでたどり着いたことですし、数少ないもう1つの観光名所であるサンチャゴ要塞に大急ぎで向かいました。500メートルほどの距離ですしね。
かつての城壁都市の中心地。今は小奇麗な公園という感じですが、日本軍が多くのフィリピン人を命を奪った場所でもあります。 |
この要塞はかつての城壁都市で重要な役割を担った場所でもあり、大戦中には日本軍により、地下牢に閉じこめられた人が満水時に溺死させられた悲しい場所でもあります。とはいえ、現在は綺麗な公園のように整備されているため、往時の悲劇を感じることは難しかったのが現実です←実は私、各国にある旧日本軍関連の施設や展示物を意識的に見て回っています。数年前、ガイドライン法案が国会を通った翌日、偶然滞在していたシンガポールで、日本人だという理由で年輩の男性が運転するタクシーを乗車拒否されたのがきっかけになっています。
要塞を出て、来た道を戻りだした途端、東南アジアらしい豪雨が一気に降り出しました。一応持っていた折り畳みをさすもほぼ無力。ズボンは道路から跳ね返った雨水で濡れる一方。しかも、大通りを例のごとく車が行き交う中を強引に横切らねばなりません。雨よりもひかれる心配の方が強かったですね。事実、何度もヒヤリとしました。
ズブ濡れになりながら駅まで戻ってLRTに乗り、ヒルプヤット駅に着いた後がさらに大変。車と人、バイク等が入り交じる大通りをホテルまで戻らねばなりません←内心では、マニラ社会を学ぶ良い機会だと半分喜んでいるんですがね。
やっとのことでホテルに戻ったとき、時間は18:00。3時間ちょっとの観光でしたが、色々と貴重(&危険)な経験ができた有意義な!?時間でした(^_^;)。
ズブ濡れ&泥まみれになった衣服を簡単に水洗いして干した後、ホテルの中にあるSM健康サウナに向かいました。一瞬驚いてしまう名前ですが、ネット情報では宿泊者以外でも利用する人が多いらしい、限りなくスパに近い普通のサウナ。ジェット風呂もあるしね。お一人650ペソ+税らしいけど、もちろん、宿泊者は無料で利用できます。歩き疲れたこともあり、ちょっぴり豪華にマッサージも頼んでみました。これも650ペソ+税。今のレートで2000円ほどでしょうか。マッサージそのものも、オイルをふんだんに使った限りなくエステに近い物。勿論男女別の大部屋ですので、女性でも安心して頼むことができそうです。ただ、カーテンがないため、男だけとはいえ全裸に近い人が何人も横たわっている姿、それもマッサージの痛みで時々うなり声をあげている姿は異様ではあったけどね(笑)
タイの一部のマッサージのようにチップを当たり前のように要求されることもなく(←そもそも、マッサージ前にサウナに入った際、ロッカーに全てを預けていますしね)、とっても気持ち良い1時間のコースでした。
サウナ&マッサージ後、身も心も軽くなったため、部屋には寄らずに、財布以外の貴重品は持たずにホテル付近を散歩してみました。が、さすがに夜。一本脇道に入ると、街灯もなく怖いのなんのって。さすがに危険を感じ、ホテルに戻ってカバンやその他の装備品(←傘とか、地図とか、護身には役立たずな物ばかりだけど・・・笑)を手にして再び散歩に出てみました。まあ、コンビニで夕飯にするべきものを買っただけで散歩は終了したけど、路上に寝ている3歳くらいの子供を連れた父親が居たかと思えば、金銭を要求する小学生くらいの子供が寄ってきたり、そのすぐ横には、派手なネオンのカラオケ店が多数並び、お客を待つセクシーな衣装の女性が多数店の前にいたり(←アジア諸国におけるカラオケ店は、日本のカラオケというよりキャバクラや風俗店に近い物のようです・・・入ったこと無いので聞いた話ですが)、昼間には見ることの無かった色々な物が目に飛び込んできます。
この日の晩御飯。本当にミスタードーナツ製なのかは不明です。 |
ホテルのすぐ横の通りは地元の人たちが住むバラックのような家が並ぶ通り。さすがにこの通りには入りませんでしたが、ホテルのすぐ横でも、ゴミをあさるホームレスや、客を待つカラオケ店のお姉さん、おそらく立ちんぼ(←通りに立ってお客を探す素人売春婦)と思われる女性が半径5メートル以内に居るという状況に大きな衝撃を受けてしまいました。
まさにマニラの縮図を見たような一日でした。