7日目
実質的な最終日です。最後の訪問都市はミラノ。トレビゾからミラノまではアウストラーダ経由でも4時間近くもかかかります。しかも、途中、ベローナという町にも立ち寄るため、まだ暗い中での出発となりました←モーニングコールは5時でした。
ベローナという町。日本人にはあまり縁がないかも知れません。私自身もつい数年前に名前を知った町です。とはいえ、町自体が世界遺産にもなっている素敵な町←実は、いわゆる5台都市以外にも、ベローナとシエナという2つの町に以前より行ってみたいと思っていました。ベローナ同様シエナの町も世界遺産になっているため、いずれは訪問したいと思っております。
霧に包まれたベローナの町。実に神秘的。 |
さて、このベローナ。大雑把に言うとヴェネツィアとミラノの中間地点に位置する町なのですが、シェークスピアの名作『ロミオとジュリエット』の舞台になった町です、そう言ったら雰囲気が伝わるかもしれません。
※実は、この日の旅行記を書いているのはミラノからヒースローまでのBA便機内。今ちょうど、機内食を食べ終えキーボードに向かっているのですが、私の付近に腋臭(わきが)の人がいるとみえ、香しい香りがただよっております(T_T)・・・失神してしまいそうです。酸素マスクが降りてきたらいいのになぁ・・・(^_^;)
左。ロミオの家(とされている家)。真ん中。ジュリエットの家(とされている家)。右。ジュリエットの家には愛のメッセージが沢山! |
大学の英文学の講義で学んで以来全く縁のないシェークスピアですが、さすがにロミオとジュリエットの物語のあらすじくらいは知っています。た〜だ、意外なことに、シェークスピア自身はこのベローナの町を訪れたことがないらしいんです(^_^;)。さらには、ロミオの家、ジュリエットの家と言われている家自体も、モデルとなった逸話の関係者が住んでいたかはっきりしないらしいのです。もっというと、この話の元となるような事実があったかどうか、それすらも怪しいと言っている人さえいるようです←旅行ガイドブックにもそんな説明がなされているし、ベローナでの現地ガイドさんもそう言っていました。
左。エルベ広場。果物や野菜、お花などの屋台が立ち並びます←私が訪れたときはまだ準備中でした。白いパラソルが電動で開くのには驚き。右。アレーナ。1世紀に作られたもの。アリーナという言葉の語源となったものです。ここでのオペラは世界的にも有名ですよね。 |
だけど、そんなことはさておきとっても趣のある町です。朝もやに包まれた町並みを散策したのですが、「素敵」を通り越し、もはや「幻想的」、そう感じたほどです。今回訪れた他の街とは違い、観光客もほとんどいませんでしたし、朝早いこともあり、町ゆく人も少なく、更には走り去る車さえ少ない時間帯でした。そんなこともあり、より一層、町並みそのものをじっくり堪能できました。とってもとっても陽気なイタリア人女性のガイドさんが何度も何度も、「次に一週間くらいベローナの町にくるときには、違うところもじっくり見て欲しい」、そう言っていたけど、お世辞ではなく、是非そうしたいな、そう思った1時間の徒歩観光でした。次にくるときには、是非、夏のオペラの開催時期に訪問し、アレーナでのオペラを堪能したいと思います。もちろん、ロミオとジュリエットの☆
再びバスに乗り、いよいよ最後の訪問都市であるミラノへと向かいます。個人的には、ミラノという街は小学生の低学年の時から興味があった街なんです。当時、父親が乗っていた車が日産パルサー。この車は、イタリアのアルファロメオとの提携で生産され、アルファブランドでも生産されていた車なんです。その関係なのか、パルサーにもミラノX1というおしゃれなグレードが追加されました。子供の時から車が好きだったこともあり、CMや広告を見るにつけ、ミラノという街はとっても素敵な街なんだろうな、そう思うようになったのでした。
時は過ぎ、それから20年以上が経過した2008年。いよいよ、そのミラノを訪れる機会に恵まれました。アウストラーダを降り、ミラノ郊外から中心部に向かいます。まず印象的だったのが、環境都市らしく路面電車が行きかう街並み。次に私の目を引いたのが、街ゆく車たち。ハッチバックやワゴンなど、テールゲートを備えた車が大部分なのは他のヨーロッパの街と変わりないのですが、若い女性であっても、マニュアルシフトを操り、軽快に走り去っていきます。また、これまたヨーロッパの常で、オープンカーが多いこともやはり印象的でした←冬だから誰も開けていなかったけど(笑)。私も、自分の愛車であるコペンをオープンにして、この知的でおしゃれな街を走り抜けたいな、そう思いました。
生ハムは最高でした。リゾット・・・味の無い卵ご飯のよう・・・ほとんど食べられずでした。 |
ミラノ到着後にまず昼食となりましたが、メニューはミラノ名物のリゾット。ですが、私も含め多くの人が大量に残していました。日本人には味付けが薄すぎるのと、あまりにシンプルで、おかずが無いと箸が進まないです←箸ではなくフォークだけど(^_^;)。だけど、生ハムは美味しかった〜!メロンと一緒に食べる、ということ自体はじめての経験でしたが、意外と塩っ辛い生ハムとメロンの甘味の絶妙なバランスが最高でした♪
ヴェネツィアに続いてまたしてもマック(^_^;) |
食事後、ミラノの超有名なスポットである「ヴィットリオ・エマヌエーレ2世のガッレリア」で解散&自由時間。せっかくの自由時間だけど、プラダ本店をはじめ、名だたる高級ブランドショップの立ち並ぶガッレリアには縁のない私です。まあ、時間つぶしを兼ね、その後ガイドさんと行くことになっているドゥオモの外観観光を済ませ、後はマックカフェで時間つぶし。バールよりずっとリーズナブルで、タイミングや金額を悩んでしまうチップの気遣いもいらないし、結局いつも欧米を旅行するときにはマックやスタバに入ってしまいます。
1877年に完成したガッレリア。 |
あ、そうそう。ドゥオモ前の広場で話しかけてくる黒人たちは要注意!!強引に腕にミサンガをつけようとしてきたり、鳩の餌を手につかまそうとしてきます。もちろん、どちらも手にしてしまえば数十ユーロ。ぼったくり&詐欺です。まあ、とにかくしつこく強引ですから関わらないのが一番ですね。
スカラ座前広場で再集合後、ようやく日本人ガイドさんの案内で観光が始まります。とはいえ、限られた時間ですし、ミラノという街の性格からしても、そんなに多くの場所を見て回るということは出来ませんでした←個人的には、この旅で一番分かりやすく解説をしてくださったガイドさんだと思いました。
離れて見るても、細部を見ても、内部を見ても、そのどれもがすばらしいミラノのドゥオモ。 |
ガッレリアに続いて壮大で美しいドゥオモを徒歩で観光した後、再びバスに乗り込みます。いよいよ、この旅で私が一番楽しみにしていた、レオナルド・ダ・ヴィンチの名画「最後の晩餐」がある、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会とドメニコ会修道院の「食堂」に向かうんです!この絵は縦420 cm、横910 cm と非常に巨大なもので、1495年〜98年の短時間で製作したと言われています。
残念なことに、1943年8月に、ファシスト政権ムッソリーニに対抗したアメリカ軍がミラノを空爆し、スカラ座を含むミラノ全体の約43%の建造物が全壊してしまいました。この食堂も例外ではなく、向かって右側の屋根が半壊するなど壊滅的に破壊されたてしまいました←壁から僅か3メートルの位置に爆撃を受けたとのことです。ただ、不幸中の幸い、壁画のある壁だけは、危険を察していた修道士たちの機転により、土のうと足場で保護されていたため奇跡的に残りました。絵の存在そのものが「奇跡」と言われる所以です。
左の小さな建物内部に最後の晩餐があります |
何度も修復を受けたこの名画ですが、過去の修復者は画面の剥落を防ぐため、ニカワや樹脂、ワニスなどを塗布してしまいまいました。結果的に、この修復のせいでますます埃やススが吸い寄せられ、画面は黒ずみ、ダ・ヴィンチの手による本来の表現がわからなくなってしまいました。最も最近の修復は1977年から1999年にかけて大規模な行われたものです。これはミラノ芸術財、歴史財保存監督局の支援によるもので、ピニン・ブランビッラという女性が一人で20年以上の歳月をかけ、修復がなされました。
こうして本来の色を取り戻した名画。現在では、複数の扉によって外気との接触を減らし、1グループ最大25人まで、見学時間も僅か15分程度という厳しい人数制限をして保存活動がなされています。もちろん、写真やビデオ撮影も禁止。
絵の感想・・・私な貧弱な語彙では言い表せません。ここまでの道のりや、壁画前の複数の扉などのせいもありますが、ドアが開いたと同時に、他の人たちがみな絵の前ぎりぎりまで歩み寄せるのを尻目に、絵が目に飛び込んできた瞬間、思わずその場で立ち尽くしてしまいました。身震いがとまりませんでした。
モナリザを見たとき以上の強烈な感動。いや、衝撃に近いものさえ感じました。ここまで感激した絵はパリのオルセー美術館で見た「落穂拾い」以来です←私が一番感動した絵といえば、やはり「落穂拾い」。絵に吸い込まれ、風の音さえも聞こえてくるような感動を覚えたミレーの名画です。
この最後の晩餐がこの旅最後の観光となりました。同じツアーでも、成田発のコースに参加した場合には、帰りの便の時刻の関係で翌日ミラノでの自由時間が出来るようです。ですが、関空組は往路同様にロンドンのヒースロー空港を経由しなければなりません。まあ、ローマでの自由時間ならいくらでも欲しいけど、ここミラノなら、今日の日中の散歩時間で結構満足できたというのが本音です。ユーロ高も手伝い、買い物するのもつらいしね(笑)
前夜に続いて宿泊するホテルでの食事は、名画のタイトル同様、この旅の「最後の晩餐」。内容的には「最後の夕食」の方が適切かな(笑)。他の参加者たちと、あっという間だったこの1週間の思い出を語りながらの食事でした。
LEONARDO
DA VINCI Via Senigallia 6,Milan,20161,ITALY ミラノの北部、郊外に位置するホテル。自然を満喫できる公園が目の前にあり静かな環境。客室は清潔感あるシックなインテリアに落ち着いた色調でまとめられている。様々な催事に利用できる多彩な会議・宴会場も充実しており、観光だけでなくビジネスにも気軽に利用できる。ミラノ中央駅から5km、マルペンサ空港から28km。 巨大なホテルです。ツアー御用達なのか、日本人しか見かけませんでした。 |