イタリア4大都市旅行記 2008 新春
2008.1.2〜2008.1.10


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8日目
とうとうイタリアにさようならを告げる朝が来ました。朝の食事は7:00からでしたが、大きなホテルだし、日本人のツアー旅行客が大勢いるため混んでいると予想し、7:20にレストランに下りました。読みは正しく、ちょうど第一陣が食事を終え部屋に戻るところでした。食事そのものも、この旅で初めて「バイキング」といっても過言は無いほど充実したもの・・・だったはず。はい、下りたときには既に一部が品切れ状態(笑)。食べ物だけではなく、フォークまで品切れ中でした(^_^;)

8時過ぎにはホテルを出発したのですが、ちょうど同じ時間帯に、私たちと同じJALパックのツアーの成田空港組の方々もどんどんとバスに乗り込んでいきました。ネット上の情報から類推するに、おそらく、ミラノから成田まで直通便の出発時刻までの自由時間をすごすべく、どこかへ送ってもらっているのだと思います←違っていたらごめんなさい。でも、7日目の旅行記に書いたとおり、事前に分かっていたことだし、それにミラノではあまり見て回りたいところもなかったため、羨ましいとも思いませんでした。

朝の通勤時間と重なり、車の行き来が激しいミラノの街を通り抜け、ミラノ国際空港の正式名称であるマルペンサ空港へとバスが進んでいきます。ホテルから空港までは28キロ。アウストラーダを利用したのであっという間の到着でした。途中、ツアーコンダクターのAさんから旅の最後の挨拶がありました。今回の旅のことはもちろん、これまで多くの人をさまざまな国へ案内した方らしい、重みのある言葉に、もうはやウルウルモードになってしまった私です。ダメなんです。人との別れって。知り合いが北海道に来るときには、喜んで空港まで迎えに行くけど、よほどの事が無い限り空港へ送るということはしません。別れがつらいから(^_^;)

本来はツアー中ずっと同じドライバーさんになる予定が、諸般の事情で3人のドライバーさんがハンドルを握ってくれたのですが、最後のドライバーさんはフィレンチェからずっと一緒でした。小柄なおじいちゃんなのですが、英語があまり得意ではないようだけど、いつもニコニコと私たちに笑顔を振りまいてくれました。バスの乗降時も、目的地のぎりぎり近くまでバスを近づけてくれました。そんなドライバーさんの「アリヴェデルチ!」(さようなら)というたった一言の言葉にとうとう、涙が一筋(T_T)

いつもの一人旅ではぜったいに起こらないシチュエーション。一期一会という言葉が何度も頭をよぎりました。

そうこうしているうちに、マルペンサ空港にバスが着いてしまいました。ライバーさんに本当の別れを告げ、空港内へ。旅の余韻にふけるつもりが、警察の警備の物々しさに驚いてしまいました。ロビーを巡回するだけではなく、航空会社のチェックインカウンターの上!にも警察官が乗っかり、目を光らせていたんです。昨今のテロやテロ未遂事件は欧米中心に起こっていますので、仕方ないことなのかもしれませんが。

最初の説明では、自動チェックイン機を使用してどんどんと搭乗手続きをするはずでした。事実、チェックイン機に並びました。だけど、かなり待った後で、結局通常のカウンターで並びなおし。航空券が自動チェックイン機に対応していなかったのか、それとも、往路のような予約落ちが発生していたのか・・・理由はさっぱり分かりません(^_^;)。こんないい加減な状態でも無事に日本に帰ってこれるのはツアーの強みですよね。

やっとのことで搭乗券を手にした後は、免税手続きの必要があるはずも無く(←ツアー参加者の過半数は免税手続きに行ってしまいました)、早々と出国と思ったその矢先、人生で初めてスリに遭遇してしまいました。他の人がすられてしまう瞬間は見たことがあったけど、私が実際にすられてのがこれが始めて。

スリの手口はいたって簡単なもの。10人ほどの列の最後尾に続いて下りのエスカレーターに乗ったのですが、降りた途端、前から歩いてきたイタリア人の男と軽くぶつかりました。「なんだこいつ?」と思いながらそいつをにらんだら、「ごめんなさい」とへらへら笑いながら走り去ったあいつ。とっさに、「もしや!」と思って肩掛けのカバンを見てみると、さっきまで閉まっていた小さなポケットのファスナーが開いていました。スリ予防のために使っているこの大きな前カバーのついたバッグ。もちろん貴重品は中にしまっています。だけど、小物等はこのポケットに入れていました。確認したところ、やはり無くなっているものがありました。まあ、ポケットティッシュとヴェネチアの地図のコピーを折りたたんだものだけですが(笑)。スリの犯人が一瞬だけ掴んだら、どちらも財布と同じ形に思えるのかもしれません。簡単に開くポケットにはこんなものしか入れていないけど、それでも、初めて自分の物回り品がすられたというのは驚きでもあり、ショックでした。自信喪失というか、戦意喪失というか(^_^;)。

とられたものではなく、とられた事実がショックでした。アジア諸国でとられそうになったりしたことは幾度も。相手の手に一瞬渡ってしまったことも何度かありました。ですが今までは必ず取り返してきました。タイの土産物屋のじいさんとは喧嘩になりながらも、とられたお金を取り返しました。そんな私でも、ここイタリアでは一瞬にしてすられたしまいました。恐るべしプロの技。みなさんもくれぐれも注意してくださいね。

出国審査もラテンの国、イタリアらしく、インク切れ寸前でほとんど読めないスタンプをポ〜ンと押して終了←以前はスタンプを押すことすらしなかったようだけど。

出国後、搭乗まで小一時間ばかりありました。旅行記を打ちこみたかったこともあるけど、それ以上に独りになりたくて、ツアーの参加者と離れられる場所を探しました。いつもの旅では一人でボ〜ッと休憩しつつも、人間ウォッチングをしたりと、自分なりにその国、その町の様子や人間模様を楽しんでいます。だけど、今回の旅ではそのような時間がほぼ皆無でした。なので、自分が乗ることになる搭乗ゲートとは全然違うゲート前のベンチに座り休憩したこの短い時間。なんだか、とっても落ち着けた時間でした。

ツアー中、夜もほとんど眠れずだったため、とても疲れていたこともあるけど、日本人に会わない、日本語が聞こえてこない場所というのは、私にとっては場合によって憩いの場所になるようです。海外旅行を始めた頃は、写真を撮るより自分の脳裏に景色を焼き付けたく、必要以上には写真をとることはしなかったのですが、HPを作るようになってからはそんなわけもいきません。で、ここは!と思う場所、タイミングでカメラを手にすると、ツアーということもあり、私の周りにいる人もみんな同じ方を向いてカメラを構えています。現地の人から見ると、異様な光景なのでは?また、公衆トイレの少ない海外です。トイレを見つけて入ると、既に日本人がたくさん並んでいます。土産物屋に入っても聞こえてくるのは日本語ばかり。“異国情緒”という言葉があるけど、アジアの雑踏の中を地図を片手に一人で歩くことが多い私には、海外にいるという実感の伴わないというか、なんとも「薄味」の旅だったように思えました。もちろん、事前のプランニングや、現地でのトラブル解決という課題もなく、お気楽なのは大きな利点なのは認めます。このへんは、良い悪いの問題ではなく、参加する人の価値観の問題ですよね。

そんなどうでもいいことを考えていると、ロンドンまでの便の搭乗時刻となりました。BAと略されることの多いブリティッシュエアウェイズの機材はエアバスのA319。まあ、乗り慣れた機材の胴体短縮版。だけど、全席革張りだったり、シートピッチが広いなど、非常に快適。往路のアリタリア便とは違い、機内食もでるし、飲み物も飲めるし、機内誌も入っていました←普通はどれも当たり前のサービスなのですが(笑)

機内食といっても、こんな感じのボックスミールです。

晴れていればアルプスの山々を見下ろすことができるかな、そう期待していた航路だけど、残念ながら最後の最後まで天候には恵まれない旅でした。とはいえ、ロンドン到着前の10分ほどは、万年混雑中のヒースローの着陸待ちのため、何度もロンドン市内を低空で旋廻。まるで遊覧飛行のようでした。2年前に訪れた数々の場所を、上空から再確認しました。

こうして無事に戻ってきたロンドンヒースロー空港。トランジットの手続きも往路ほどかかることもなく、しばしの自由時間が発生しました。もっとも、ポンド高も手伝い、世界一物価が高いのでは?と思われる英国です。2年前に買い物をしたお店でまったく同じものを購入しようとしたら、レートの関係もあり日本円換算で50%ほども値上がりしていました。

再集合後、関空までのJAL便に乗るためにちょっぴり離れたゲートまで移動です←このゲート、2年前の帰りと同じ場所でした。あの時はポケモンジェットUSAでしたが、今回は普通のB777−200です。

搭乗時にいつも手にするのが日経新聞。1週間以上も日本のニュースを見ていないため、既にプチ浦島太郎状態です。座席に着くなり新聞の隅から隅までを読み始めました。

※機内での出来事からは9日目に記載します。

 


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